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⑴ 振興山村に係る措置

 山村振興法の実施の状況に鑑み、産業の振興 のための施策に関する規定の整備等所要の措置 を講ずることとする「山村振興法の一部を改正 する法律案」が第189回国会に提出され、平成 27年 3 月31日に可決・成立し、同日に公布され、

翌 4 月 1 日から施行されています。

 同法により、振興山村の産業振興を図るため、

山村振興法に市町村が作成する産業振興施策促 進事項の記載がされた山村振興計画の同意制度 を創設するほか、同法の有効期限を平成37年 3 月31日まで10年間延長する等の改正が行われて います。

 これを受けて、本制度における振興山村に係 る特別償却措置については、自ら産業振興を戦 略的に進めようとする市町村を積極的に支援す るとの観点から、域外からの大規模な企業誘致 を前提とした製造業中心の設備投資を対象とす る一律横断的な措置を見直し、各地域の実情を 踏まえた戦略に応ずることができるように、産

業振興施策促進事項につき同法の同意を得た山 村振興計画に記載された区域及び事業に係る割 増償却措置に改組されました。

⑵ 半島振興対策実施地域に係る措置

 国土の保全、多様な文化の継承、自然との触 れ合いの場及び機会の提供、食料の安定的な供 給等我が国及び国民の利益の保護及び増進に重 要な役割を担うとともに、国土の多様性の重要 な構成要素である半島地域が国土資源の利用の 面における制約から産業基盤及び生活環境の整 備等について他の地域に比較して低位にあるこ とに鑑み、半島振興計画の内容を拡充するほか、

半島地域の振興のため必要な措置を講ずること とする「半島振興法の一部を改正する法律案」

が、第189回国会に提出され、平成27年 3 月31 日に可決・成立し、同日に公布され、翌 4 月 1 日から施行されています。

 同法により、半島振興対策実施地域の産業振 興を図るため、半島振興法に市町村が作成する 産業振興促進計画の認定制度を創設するほか、

同法の有効期限を平成37年 3 月31日まで10年間 延長する等の改正が行われています。

 これを受けて、本制度における半島振興対策 実施地域に係る措置については、同法の認定産 業振興促進計画に記載された区域及び事業に係 る措置に改組されました。

3  改正の内容

⑴ 過疎地域に係る措置

 上記1 ⑴の表の①イの地域に係る措置につい て、適用期限が平成29年 3 月31日まで 2 年延長 されました(措令28の 9 ①一)。なお、その地 域のうち下記⑵の措置における対象地区に該当 する地区は、この措置の対象となる地域から除 かれることとされました(措法45①表一)。

⑵ 振興山村に係る措置

 上記1 ⑴の表の①ロの地域に係る措置につい て、次のとおり、山村振興法の特定振興山村市

町村が作成する特定山村振興計画に記載された 区域及び事業に係る割増償却措置に改組されま した(措法45②表四、措令28の 9 ⑫四⑬⑭四

~、措規20の16⑦⑨)。

① 措置の概要

 この措置は、青色申告書を提出する中小企 業者が、対象期間内に、振興山村として指定 された地区のうち産業の振興のための取組が 積極的に促進される地区内において営む指定 事業の用に供する対象設備の取得等をする場 合において、その取得等をしたその対象設備 をその地区内においてその中小企業者の対象 事業の用に供したときは、その用に供した日 以後 5 年以内の日を含む各事業年度において、

その対象設備に係る産業振興機械等について は、供用日以後 5 年以内でその用に供してい る期間に限り、普通償却限度額の24%(建物 及びその附属設備並びに構築物については、

36%)相当額の割増償却ができるというもの です(措法45②)。

 措置の詳細は、次のとおりです。

② 対象法人

 対象となる法人は、青色申告書を提出する 中小企業者とされています(措法45②)。

(注) 中小企業者とは、租税特別措置法第42条 の 4 第 2 項に規定する中小企業者をいいま す(措法45②)。

③ 対象地区

 対象となる地区は、山村振興法第 7 条第 1 項の規定により振興山村として指定された地 区のうち、同法第 8 条の 4 第 1 項に規定する 特定振興山村市町村の同法第 8 条第 1 項に規 定する山村振興計画(一定の事項が記載され たものに限ります。以下「特定山村振興計 画」といいます。)に記載された同条第 4 項 第 1 号に規定する産業振興施策促進区域内の 地区とされています(措法45②表四、措令28 の 9 )。

 この措置の対象となる特定山村振興計画に 記載されるべき一定の事項とは、次の事項を

いいます(措令28の 9 ⑫四、措規20の16⑦、

山村振興法 8 ④⑤、山村振興法規 4 二・三)。

イ 産業振興施策促進区域

ロ 地域資源を活用する製造業、農林水産物 等販売業その他のその産業振興施策促進区 域において振興すべき業種

ハ ロの業種の振興を促進するために行う事 業の内容及び実施主体に関する事項 ニ 産業の振興のための施策の促進に係る期

ホ 産業振興施策促進事項の目標

ヘ 産業振興施策促進区域における産業の振 興を促進する上での課題

ト 関係都道府県、関係市町村、関係団体、

民間事業者その他の者との適切な役割分担 及び連携に関する事項

 なお、改組後の半島振興対策実施地域に係 る措置における対象地区(下記⑶①)に該当 する地区は、この措置の対象となる地区から 除かれています(措法45②表四)。

(注) 関係法令については、下記の(参考 1) 及び(参考 2)をご参照ください。

④ 対象期間

 対象となる期間は、対象地区に係る特定山 村振興計画に記載された上記③ニに掲げる期 間(以下「計画期間」といいます。)の初日 から平成29年 3 月31日までの期間とされてい ます(措令28の 9 ⑫四)。

 ただし、その計画期間の末日が平成29年 3 月31日前である場合にはその計画期間とし、

同日前に振興山村に該当しないこととなった 地区についてはその計画期間の初日からその 該当しないこととなった日までの期間とされ ています(措令28の 9 ⑫四)。

⑤ 対象事業

 対象となる事業は、地域資源活用製造業及 び農林水産物等販売業のうち、対象地区に係 る特定山村振興計画に記載された事業とされ ています(措令28の 9 )。

(注 1 ) 地域資源活用製造業とは、山村振興法

第 8 条第 4 項第 2 号に規定する地域資源 を活用する製造業をいい、対象地区にお いて生産されたものを原料又は材料とす るものに限ります(措令28の 9 )。なお、

関係法令については、下記の(参考 1) をご参照ください。

(注 2 ) 農林水産物等販売業とは、対象地区に おいて生産された農林水産物又はこれを 原料若しくは材料として製造、加工若し くは調理をしたものを店舗において主に その対象地区以外の地域の者に販売する ことを目的とする事業をいいます(措令 28の 9 )。

⑥ 適用要件(対象設備の取得等をする場合)

 この措置の適用は、対象設備の取得等をす る場合に限られていますが、この対象設備は、

次の事業の区分に応じ次の設備とされていま す(措令28の 9 )。

イ 地域資源活用製造業法人の資本金の 額等に応じた次の設備

イ 5,000万円以下の中小企業者その 構成する減価償却資産の取得価額の合計 額が500万円以上である一の設備 ロ 5,000万円を超える中小企業者そ

の構成する減価償却資産の取得価額の合 計額が1,000万円以上である一の設備 ロ 農林水産物等販売業その構成する減

価償却資産の取得価額の合計額が500万円 以上である一の設備

(注) 上記の減価償却資産には、無形固定資 産及び生物(観賞用等の生物を除きま す。)を含みません。

 また、資本金の額等が5,000万円以下の法 人又は資本若しくは出資を有しない法人(こ れらを「中小規模法人」といいます。)以外 の中小企業者にあっては、新設又は増設に係 る上記の対象設備の取得等をする場合に限り 適用できることとされています(措法45②、

措令28の 9 ⑬)。

 なお、その取得等をした設備からは、半島

振興対策実施地域に係る措置、離島振興対策 実施地域に係る措置及び奄美群島に係る措置 の適用を受けるものは除かれています(措法 45②)。

⑦ その他の適用要件

 上記⑥のほか、この措置が適用できるのは、

上記⑥の対象設備を対象地区において対象事 業の用に供した場合で、かつ、それがその対 象地区の産業の振興に資する場合に限られて います。対象地区の産業の振興に資する場合 とは、法人がその対象地区において対象事業 の用に供した対象設備について、その対象地 区に係る特定振興山村市町村が作成する特定 山村振興計画に記載された振興の対象となる 事業その他の事項に適合するものである旨の その特定山村振興計画を作成した特定振興山 村市町村の長の確認がある場合とされていま す(措令28の 9 ⑭)。

⑧ 産業振興機械等

 この措置により割増償却の対象となる減価 償却資産は、産業振興機械等に限られていま す。この産業振興機械等とは、対象設備を構 成するもののうち、機械及び装置、建物及び その附属設備並びに構築物をいいます。ただ し、他の特別償却制度と同様に、所有権移転 外リース取引により取得したものは、産業振 興機械等から除かれていますので、割増償却 の対象にはなりません(措法45②)。

(注) 所有権移転外リース取引とは、法人税法 施行令第48条の 2 第 5 項第 5 号に規定する 所有権移転外リース取引をいいます。

⑨ 特別償却限度額(割増償却限度額)等  特別償却限度額は、それぞれの産業振興機 械等の普通償却限度額の次の割合に相当する 金額(普通償却限度額に割合を乗じた金額)

とされています(措法45②)。

イ 機械及び装置24%

ロ 建物及びその附属設備並びに構築物 36%

 なお、他の割増償却制度と同様に、割増償

却の対象となる期間は、供用日以後 5 年以内 でその用に供している期間に限られています。

⑩ 適格合併等があった場合の適用

 青色申告書を提出する法人が、適格合併等 によりその被合併法人等がこの措置の適用を 受けている産業振興機械等の移転を受け、こ れを被合併法人等がその用に供していた対象 地区に係る対象事業と同一の事業の用に供し た場合には、その法人がその供用日に移転を 受けた産業振興機械等の取得等をして対象事 業の用に供したものとみなして、この措置の 適用ができることとされています。これは、

他の割増償却制度と同様です(措法45③)。

⑪ 申告要件等

 この措置は、確定申告書等に産業振興機械 等の償却限度額の計算に関する明細書の添付 がない場合には、適用しないこととされてい ます(措法45④、43②)。

(注) 確定申告書等とは、法人税法第 2 条第30 号に規定する中間申告書で同法第72条第 1 項各号に掲げる事項を記載したもの及び同 法第144条の 4 第 1 項各号又は第 2 項各号に 掲げる事項を記載したもの並びに同法第 2 条第31号に規定する確定申告書をいいます

(措法 2 ②二十七)。

 すなわち、仮決算をした場合の中間申告 書及び確定申告書をいい、確定申告書には、

その確定申告書に係る期限後申告書を含む こととされています。

 また、法人がこの措置の適用を受ける場合 には、その適用を受けようとする最初の事業 年度の確定申告書に、産業振興機械等に係る 対象設備が特定山村振興計画に記載された事 項に適合するものであることにつき、上記⑦ の確認の際に交付を受けるその特定山村振興 計画を作成した特定振興山村市町村の長が確 認した旨を証する書類を添付しなければなり ません。産業振興機械等についてこの措置の 適用を受ける場合に、既に連結確定申告書に その産業振興機械等に係るこの書類の添付が

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